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第109号 上手な節税プラン

企業の経営者にとって、期待通りの利益を上げることはいつも変わらない目標でしょう。ところが、利益を上げると必ず税金がかかってきます。利益を上げながらも税金を安くしたい。これも経営者にとっていつも変わらぬ願いでしょう。

税金を安くする方法に二種類あります。ひとつは税法に違反して税金を安くする方法です。いわゆる脱税です。この誘惑に駆られた経営者もおられるかも知れません。しかし、脱税は言うまでもなく犯罪です。また、税務署の調査は、銀行、取引先等の資料を駆使して行うため、特に近年はかなりの確率で発見されてしまうでしょう。脱税が発見されると重加算税と延滞金とで逃れた税金と同じくらい払うことになることも珍しくありません。非常に高額の脱税をすると刑務所に行くこともあります。神経を使うわりにはリスクが大きすぎる行為です。

 

節税のパターン

もうひとつは税法の範囲内で税金を安くする方法です。節税といわれるものです。私がお勧めするのはこの節税です。節税にはいくつかのパターンがあります。法人について利用可能なパターンを示しますと

第一のパターンは金銭の支出を伴うが翌期以降全額または大部分が戻るものです。これは、支出した年度では法人税の支払いは少なくなるが、将来その金銭が戻ってきたとき、または費用になったときにその金額に対応する法人税が課されるというものです。単に税を繰り延べるのみではありますが、これを繰り返すことで一定の節税効果が得られます。

第二のパターンは金銭の支出を伴いかつその金銭は将来にも戻らないというものです。すなわち、原則として支出した全額が損金に算入されますが、その効果が翌期以降も期待されるものです。その結果、損金に算入された金額の約40%の法人税等が節約されますが、実際に金銭が支出されることにより、資金の圧迫要因になります。

第三のパターンは金銭の支出を伴わないで損失を計上するものです。含み損があるなど、適用できるケースは限られますが、損失に計上した金額の約40%の法人税が節約されますので最もお勧めの方法です。

 

短期前払い費用の特例

第一のパターンとしては、まず、短期前払い費用の特例を挙げることができます。これは、支出した日より一年以内に提供を受ける役務にかかる支払いをした場合に、その支払った金額を、毎期継続して支払ったときの損金にしている場合には、その全額が損金となります。たとえば、12月決算の会社が、12月1日に翌年の11月30日までの家賃を支払ったような場合、本来は12月分のみその期の損金になるところ、その支払い家賃の全額が支払ったときの損金にすることができます。これは、手形で支払っても適用されます。ただし、利益の出た年だけ1年分を支払った場合のように、利益調整を目的としたものであってはいけません。

 

包装材料等

包装材料、事務用消耗品、広告宣伝用印刷物、見本品等を購入した場合は、これを消費したときの損金にされます。すなわち、期末には未使用分を貯蔵品という棚卸資産に計上しなければなりませんが、各事業年度おおむね一定額を取得し、かつ経常的に消費するものについては、貯蔵品に計上せず、取得したときの損金にしてもかまわないこととされています。

 

保険料

会社が支払い、万一のときの保険金の受取人も会社であるような生命保険のうち、満期返戻金のない掛け捨て保険は、原則として支払ったときの損金になります。ただし、このような掛け捨て保険でも契約期間が長期の保険は、途中で解約したときに解約返戻金がかなり多額に戻ってくる場合があります。長期逓増保険のような保険は特にその傾向が強く出ていますので、これを利用して節税商品として売り出しています。税務署では、あまり極端な場合は一定の算式を示して掛け捨て保険でも損金算入を制限していますので、実際に加入されるときは十分注意してください。被保険者の年齢、契約期間、保険の種類によっては、一定期間後の解約返戻金が支払った保険料の80%を超える場合がありますので、検討してみる余地はあるでしょう。ただ、保険の目的はあくまでも補償ですので、その目的を考えずに節税だけで加入すると、返戻金が80%といっても、逆に言うと20%もの手数料を支払って税金を繰り延べるだけと言うことになってしまいます。役員が十年後に退職する予定なら、その退職金の支払いにあわせて十年後に解約返戻金が最大になるようにして加入する、というような活用方法があります。

 

レバレッジドリース

航空機やコンテナなどの高額な備品を借入金などで購入し、一定期間後に売却することにより、減価償却費相当額の節税を図るスキームが考案され、節税商品として売り出されています。匿名組合を利用することで、一社当たりの出資を数千万円にして借入金を加算することにより一機数十億円する航空機などを購入して航空会社にリースし、毎年受取るリース料より減価償却費のほうが当初の数年間は多くかつリース期間が満了するときには中古機市場で売却可能であることを利用したものです。

最近国税当局がこの節税商品に目をつけ、一部のリース取引について欠損金を認めないこととしたことと、航空会社などが倒産することなどによるリスクがありますので、十分検討してから契約する必要があります。

 

 


 

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今号のコンテンツは下記の通りです。ぜひご一読ください。

 

【中小企業経営シリーズ】上手な節税プラン

【税務記事】中小企業新事業活動促進法

【特集】文字デザインの50年

【コラム|誠実明朗】転ずる

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