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第112号 新「会社法」と中小企業経営②

前回、「会社法」の制定に関する変更点のうち、中小企業に関係する部分についての概略を申し上げましたが、今回から何回かに分けて、「会社法」が経営に与える影響を中心としてご説明をしたいと思います。

 

一、有限会社のままにするか、株式会社に変更したほうがよいか

現在有限会社の場合は、会社法の施行と同時に会社法上は株式会社とみなされることになります。その場合、何もしないで有限会社のまま存続することも、簡単な手続きにより組織変更して株式会社にすることもできます。有限会社のまま存続することによるメリットデメリットがありますが、それらを箇条書きにすると下記のとおりになります。

 

有限会社のまま存続するメリット

  1. 従来と同じ商号が使えるため、社名変更による印鑑、看板等の買換え、名刺、諸用紙の印刷代が不要です
  2. 取締役、監査役の任期がないため役員変更登記が不要となります(株式会社になると、少なくとも十年に一度は役員変更登記をしなければなりません)
  3. 決算公告が義務付けられます(現在の株式会社はほとんど決算公告をしていませんが、会社法成立を機会に罰則を適用するようになる可能性があります)
  4. 株式会社に変更する費用がかかりません(登録免許税が通常約6万円、そのほかに司法書士等に手数料がかかります)

株式会社に変更するメリット

  1. 対外的にイメージがいいので、営業、求人がやりやすくなります
  2. 取締役会、監査役会や会計参与を設置したり、監査役に業務監査をできる権限を付与して会社経営を効率的にする体制にできます
  3. 株主間の株式譲渡についても譲渡する場合は取締役会等の承認を要する旨を定めることができます

上記以外のほとんどの規定は有限会社と名乗りながらも株式会社と同じ取り扱いになります。

 

二、取締役は何人置くとよいか

現在株式会社の場合、取締役は何人おいてもかまいません。二人以上いるとそのうち一人は代表取締役となることができます。また、三人以上の取締役がいると取締役会を設置することができ、株主総会をいちいち開かなくてもほとんどの決定をこの取締役会ですることができます。現在の株式会社は取締役を最低三人置く必要があり、当然に取締役会を設置していましたが、会社法ではこれを選べることになるわけです。

 

取締役会を設置するメリット

  1. 株主総会では、取締役の選任、計算書類の承認、定款の変更、事業譲渡等の重要な事項の承認に限られ、それ以外のほとんどは取締役会で決めることができます。
  2. 発行可能株式総数の範囲内での増資、会社と取締役との自己取引(取締役が、自分が取締役をしている会社と資産の売買等をすることを言います。承認なしに自己取引をすることは禁止されています)の承認、株主総会で決められた役員報酬の総額の範囲内での個々の役員の報酬額の改定(役員報酬は株主総会で決められた範囲内でしか支給することは出来ません)などを取締役会ですることができます。
  3. 株主総会の議題提案権は一定以上の株式を六ヶ月以上前から有している株主に限られますので、少数株主の権利を制限でき、会社の買収に一定の防御ができます。
  4. 会社の登記簿に取締役会設置会社と記載されるため、内部管理の整った会社であるとのイメージを与えることができます。

取締役会を設置しないメリット

  1. 株主総会の召集通知は定款で定めることにより短くすることができます(原則は一週間前)。
  2. 株主総会の召集通知は必ずしも文書である必要はなく、電子メールや電話、口頭でも構いません
  3. 監査役は必ずしも置く必要はありません
  4. すべての株主に議案提案権が与えられます
  5. 取締役が二名以上なら代表取締役を選定できますが、この代表取締役が過半数の株式の所有者の場合、事実上ほとんどすべても決定事項を代表取締役一人で決定する権限が与えられます。

したがって、現在株式会社で、比較的小規模のオーナー会社の場合は取締役会を置かないほうがよいでしょう。その場合、取締役二名でそのうち一人を代表取締役にすれば今までと同じように代表取締役社長と名乗ることができ、今まで取締役三名と監査役の合計四人の役員をそろえる必要があったのが二名ですむことになります。ある程度の規模を持ち、外部株主がいたり、従業員に経営の一部を任せようという会社の場合は取締役会設置会社を選ぶべきでしょう。

ご自分の会社の組織をどのようにするかは上記のメリットデメリットをお考えの上、決定してください。もちろん当事務所でもアドバイスをさせていただきます。

 

 


 

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今号のコンテンツは下記の通りです。ぜひご一読ください。

 

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