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第113号 新「会社法」と中小企業経営③

前回に引き続いて「会社法」が経営に与える影響を中心としてご説明をしたいと思います。

 

一、株券を発行しないことができます

旧商法では、株券は有価証券として自由に流通できることを原則としていたために、たとえ株主から株券不発行の届出書をもらっていても、株主の請求があれば株券は発行しなければならないこととされていました。
会社法では、株式会社の株券は原則として発行されないことになりました。したがって、株式の譲渡をした場合、譲渡人と譲受人は共同して、取得した株式にかかる名義人等を株主名簿に記載することを株式会社に請求することになります。その場合、株式の譲渡について定款に譲渡制限を置いている株式会社の場合は、その承認のための取締役会等の決議が必要になります。
なお、株券を発行する旨の定款の定めをおいている場合(会社法施行日以降定款変更していない株式会社は原則としてこの定めがあるとみなされています)は、その株式を譲渡するためには株券を交付しなければならなくなり、株券を所持している者はその株式の正当な権利者とみなされます。
そのため、株式を勝手に譲渡されたくない会社は定款の株券を発行する旨の記載を削除しておく必要があります。

 

二、株式の譲渡制限をつけるメリットデメリット

小規模な同族会社は、株主を人的に信頼関係のある者に限定したいとの要請により、「株式を譲渡するには取締役会の承認を受けなければならない」と定款で定めることができます。
この承認機関は、定款で定めることにより株主総会や代表取締役等とすることもできます。
ただし、譲渡制限を付している会社の株主がこの承認を得ずに行った譲渡でも、当事者間では有効です。その場合会社としては、その譲渡を認める、他の譲受人を指定する、会社が買い取るかのいずれかの選択をしなければなりません。
このように、譲渡制限を付しても完全に株主の譲渡の権利を奪うわけではありませんが、少なくとも会社にとってふさわしくないものが株主になることを防ぐことはできます。 一方、譲渡制限を付すことにより、その会社の株主はその株式を売却しにくくなりますので、同族関係者以外の人に株式を保有してもらいにくくなります。ただ、実際問題として上場会社でない限り株式はそう簡単に売れるものではありませんので、譲渡制限がなくても同じかもしれません。
したがって、上場準備に入っている会社や、相当の規模を持ち、多数の株主がいる会社以外は、一応譲渡制限を付しておくほうがよいでしょう。

 

 


 

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今号のコンテンツは下記の通りです。ぜひご一読ください。

 

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