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第158号 社長の経営教室②

経営リスクと内部統制組織

社長 最近上場企業が相次いで不祥事に揺れています。当社は、そのような不祥事は起きないと思っていますが、経営にはリスクが付き物です。そのような事態に備えて日頃から注意しておくべきことがあれば教えてください。

 

小島 わかりました。経営トップが知らないところで会社の屋台骨が揺らぎかねない事態があってはなりませんが、そのようなことが起きないようにする組織づくりと、そのような事態が起きた場合の対処方法についてお話します。

 

社長 私の責任で生じることと従業員のミスで生じることがあると思います。双方について教えてください。

 

小島 まず従業員のミスを防ぐ方法についてお話します。人間の行うことですからミスは起きます。また、不正が起きることは想定したくないのですが、起きさせない組織を作ることは経営者の責務でもあります。これらを防止するための組織を内部統制組織といいます。これは、従業員が効率よく仕事を行い、数字や報告に間違いが起こらないようにし、会社のルールや法律を守るために従業員や役員の行動を規制するための組織です。

つまり、一定の組織を作ることで不正や誤謬を防ごうとするものです。

 

社長 何か難しそうですが、わが社のような中小企業でもできるのですか。

 

小島 もともとは大会社のための組織ですが、その考え方は中小企業でも十分使えます。

内部統制組織で最も重要なことは統制環境といわれるもので、会社の気風とも言うものでしょう。わかりやすく言うと、何でも言えて風通しの良い組織のことです。当然社長が率先してそのような雰囲気を作る必要がありますが、御社の場合は心配なさそうですね。

 

社長 従業員との会話は欠かしませんから風通しはいいと思っています。

 

小島 次にリスクへの対応です。会社経営をしていれば常にリスクへの対応を迫られます。そのリスクをあらかじめ把握をして対応方法をシミュレーションしておくことです。

 

社長 災害対応のようなことですか。

 

小島 想定される災害への対応方法を考えておくことは必要ですが、ここでいうリスクはもっと日常的なことです。会社は、得意先の倒産、扱い製品にかかわる法規制の変更、強力な同業者の出現、役員や重要な幹部の病気や退社などなど、考えたらきりがないほどのリスクに囲まれています。

 

社長 確かにそうですが、考えても仕方がないことが多いのではないですか。

 

小島 リスクへの対応方法にはいくつかあります。考えても仕方がないことも確かにありますが、そのようなことばかりではないはずです。たとえば、避けられるリスクなら避けることです。出張予定の国にテロが頻発していたら出張を取りやめるようなものです。

内部牽制組織を強化することによってリスクの発生確率を低減できる場合もあります。それから、火災のようにその損害は避けられなくても保険をかけておけば再建しやすくなります。

 

社長 わかりました。あらかじめ準備しておけば経営へのインパクトは軽減できそうですね。内部牽制組織とは何ですか。

 

小島 会社の一連の業務を複数の従業員に分担させ、相互に牽制させることで不正や誤謬を未然に防ぐためのものです。売掛金の請求業務と売掛金の管理業務の担当を分けることで売掛金回収にかかわる不正を防ぐようなことがこれに当たります。

 

社長 支店の業務のように間接人員が一人というような場合はどうしたらよいでしょうか。

 

小島 重要な業務については上司のまたは本社の承認を必要とするようにしたらいいと思います。

それから、御社の従業員は二百人を超え、海外にも子会社がありますので、そろそろ監査室を設置する必要があるでしょう。

 

社長 経理課員に兼任させてもいいでしょうか。

 

小島 最初はそのような方法から始めてもいいでしょう。ゆくゆくは経理課も監査対象にしなければなりませんので、社長直属の監査室の設置が必要になります。

 

 


 

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今号のコンテンツは下記の通りです。ぜひご一読ください。

 

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