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第160号 社長の経営教室④

銀行との付き合い方

社長 我が社のメイン銀行からお金を借りて欲しいと言って来ました。今、特に借り入れをする必要はないのですが、どのように対応すればいいのでしょうか。

 

小島 御社の信用状態を見て、貸し倒れの心配が無いと思っての申し出でしょう。良かったですね。金利が低ければ借りてもいいのではないでしょうか。

 

社長  ありがとうございます。金利も0.5%と大変魅力的です。では、金利の負担も少ないので借りてみます。

 

小島 不要な資金を借りるということは預金残高を増やすことになりますが、金利負担が無視しうる程度なら、銀行から見る貸借対照表が良くなるので得になることがあります。

 

社長 得になるとはどういうことでしょうか。

 

小島 金融機関が融資先を評価する時、当然のことながら返済できる会社かどうかを見ます。返済原資は基本的には借りた資金を設備投資や運転資金などに充てて運用し、稼いだ将来の利益ですが、手元にある預金も返済原資ということになります。たとえ同額の借入金があってもです。したがって、金利の安い今だから言えることなのですが、常に一定の預金を手元に置いておくということは将来大きな投資をしようとしたときに有利な条件の一つになります。

 

社長 良いことを聞きました。来年くらいに設備投資を考えているので今のうちから手元預金を多くしておきます。

 

小島 その場合、通常は短期の借り入れの場合には短期プライムレートを基準にして貸出金利を設定しますが、設備資金の場合には5年以上の長期の借入になるので長期プライムレート、現在は一%程度ですが、これに一定率、通常は一%程度を上乗せしての貸出金利になるはずです。

 

社長 プライムレートって何ですか。

 

小島 もともとは優良企業向けの最優遇金利のことです。1年未満の貸し出しの場合を短期プライムレート、それ以上を長期プライムレートといいます。ただし、現在は金融機関同士の競争により、プライムレートを無視して市場金利に一定の利ざやを上乗せした金利で貸し出しをすることが多いようです。日銀のゼロ金利政策のおかげで市場金利が極端に低くなっていますので優良企業にはかなりの低金利で貸し出しを行っています。御社の場合などもその一例でしょう。

 

社長 友人の社長の会社では社長の個人保証さえ求められなかったと聞きました。そのようなことがあるのでしょうか。

 

小島 一昔前には金融機関の貸し出しは、しっかりと不動産担保を取り、社長個人や場合によっては第三者の保証までとって融資しておりました。このような融資姿勢は金融機関の審査能力を放棄するものだという批判があり、特に第三者保証は義理で頼まれた友人の会社が倒産して巨額の借金を背負うなどの悲劇が起きるなどして社会問題にもなりました。そこで、金融庁も会社の経営者の資質や事業の将来性をしっかり見て会社の成長のために融資をするようにとの指導をするようになりました。これをリレーショナルバンキングと言うのですが、金融機関は担保中心ではなく決算書や事業内容、企業の組織のあり方などを総合的にみて融資をするようになっているようです。特に最近は融資を依頼する企業が少なくなっているので貸し出し競争が激しくなり、一部の優良企業には全くの無担保無保証で貸し出しをするようになっています。

 

社長 企業にとってはいい環境ですね。

 

小島 御社のように積極的に投資をしようとする会社にとってはとてもいい環境だと思います。ただ、収益力が低下して、現状維持がやっとという会社も多いのが現在の日本の経済の現状と言えます。そのような会社は、常に収益源となる分野を探し、また技術を磨いて良い製品を開発し、収益力を高める努力が必要です。

 

社長 我が社でも油断せずにそのような努力を継続しないといつ収益力が落ちるかわかりません。ご指導をお願いいたします。

 

 


 

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今号のコンテンツは下記の通りです。ぜひご一読ください。

 

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