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第114号 新「会社法」と中小企業経営④

前回に引き続いて「会社法」が経営に与える影響とその活用についてご説明をしたいと思います。

 

一、 事業承継のために種類株式が使えます

株式会社は、定款に記載することによって剰余金の配当、役員選任権等について内容の異なる株式(これを種類株式といいます)を発行できることになっています。これを活用して事業承継に活用できる場合があります。
なお、このような種類株式が税務上いくらで評価されるかは、まだ決まっていません。実行するときは贈与等とみなされないように十分注意が必要です。
また、譲渡制限の付されていない株式を発行している会社(公開会社)の場合は、これらの種類株式の発行が制限されることがあります。

 

イ 議決権制限株式
同族関係者以外の株主に役員選任権やその他の議決権を与えないことができます。

 

ロ 取得条項付株式
一定の事由が生じたときにその種類の株式を強制的に会社が取得できることを定款で定めることができます。その事由を株主の死亡とし、オーナー以外の株式をこの種類株式とすれば、相続による株式の分散を防ぐことができます。

 

ハ 拒否権付株式
株主総会または取締役会で決議すべき事項で、その種類株主の同意がなければ承認できない旨を定款で定めることができます。これはいわゆる「黄金株」といえるもので、会社創業者一族が保有することで、比較的少数で会社を事実上支配できるものです。
また、特定の事業の将来性を見込んで投資をした投資家がその事業に関する重要事項に対するコミットメントを要求する手段として利用することもできます。

 

ニ 役員選任権付株式
その種類株主が優先して取締役、監査役を選任できるとの定款の定めをすることができます。ジョイントベンチャーなどで一定の株主に一定の取締役の選任を認めようとする場合などに有効な規定です。もちろん、会社の支配権確保にも活用できます。

 

ホ 配当優先、制限株式
剰余金の配当を他の株式より優先する株式を発行することができます。スポンサーに株式を引き受けてもらうときに、オーナーより多く配当をすることを約束することによって引き受けてくれやすくなります。このような場合、そのスポンサーの議決権を制限することとセットで導入することが有効です。
逆に、配当を他の株式より少なくする、または全くしない株式を発行することができます。
また、トラッキングストックと言って、会社の中の特定の事業部門などの業績に連動して配当をすることもできます。以前ソニーが発行して話題になったことがありました。

 

へ 残余財産の分配
会社を清算するときの残余財産は、基本的にはすべての株主に平等に分配することになりますが、これを、特定の株式に優先して、または劣後して分配することができます。ただし、配当を全くしない種類株式について、残余財産の分配も全くしないということはできません。

 

ト 株主ごとに異なる取り扱いができます
公開会社以外の会社は、①剰余金の配当を受ける権利 ②残余財産の分配を受ける権利 ③株主総会議決権について、定款で株主ごとに異なる取り扱いをすることができます。
すなわち、配当や議決権を持ち株数に関係せず、頭割りで決めたり、特定の株主に対してのみ多くの配当や残余財産を与えたり、保有株式数の保有期間を加味して議決件数を定めたりすることができます。

 

 

 


 

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今号のコンテンツは下記の通りです。ぜひご一読ください。

 

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